子供にベストなインフルエンザ予防接種とは?今さら聞けない疑問も回答

公開:2018.10.31 更新:2019.01.15

毎年、秋から冬にかけて流行するインフルエンザ。予防接種に関しては、10月から各小児科などで受付を開始するので、早い人であれば1回目の接種が終わっていることでしょう。

しかし、早いうちに受けた方がいいのか、毎年受けなくてはいけないのか、小さな子供だけでいいのか、予防接種に危険はないのか、どんなタイミングで受ければいいのかなど、わからないことがいっぱいです。

今回はインフルエンザの予防接種に関して、詳しく解説していきます。

そもそもインフルエンザ予防接種は必要か

「副作用が強い」「予防効果に疑問がある」「受けなくても大丈夫な気がする」など、理由はさまざまですが、インフルエンザの予防接種を行わない人も多くいます。

おかめ「納豆サイエンスラボ」が2017年10月17~18日、全国の20代から60代の男女1000人に行ったインターネット調査によると、過去にインフルエンザを発症したことがある人が62.5%もいるにも関わらず、毎年予防接種を受けてる人は20.4%のみでした。毎年受けていないという人は54.2%にものぼります。

しかし、インフルエンザのワクチンを接種したことによって、60%~70%の人が発症を予防でき、発症してしまったとしても重篤化を起こさなかったともいわれています。

インフルエンザは5歳から14歳の罹患率※(りかんりつ)が最も高い病気です。
※罹患率とは、症状が出る出ないに関わらず、特定の病気にかかること。病気が潜在してる状態。自覚症状がないことも多く、検査をしないとその病気にかかっていることが分からない状態を指します。

どうしてもワクチンの接種に抵抗がある場合でない限り、5歳から14歳などのお子さんがいる家族のみなさんは、予防接種をすることをおすすめします。

インフルエンザ予防接種のスケジュール

子供のワクチン接種は2回が基本です

インフルエンザワクチンの接種量と接種回数は次のようになります。

年齢 接種量 接種回数
0ヶ月以上6ヶ月未満 接種できない
6ヶ月以上3歳未満 0.25ml 2回
3歳以上13歳未満 0.5ml 2回
13歳以上 0.5ml 1回

一般的に母乳を与えている赤ちゃんの場合、6か月頃までは母親からの免疫がまだ有効です。

しかし、6か月以降から徐々に免疫が落ち始め、ウイルス性の感染症(インフルエンザ、ノロ、ロタ、RSなど)にかかりやすくなると言われています。

特に、保育園などの集団生活をしている赤ちゃんにその傾向が強いです。

医者によっては、1歳未満の有効性が明確でないとして、接種を1歳以上としているところもあります。1歳未満でも予防接種を受け付けてくれるのかどうか、かかりつけ医や近所の小児科などに確認をしてください。

ワクチン接種の間隔

年齢 1回目と2回目の間隔
6ヶ月以上13歳未満 2~4週間
13歳以上 1~4週間

インフルエンザは通常、12月から2月がピークと言われています。インフルエンザが流行りだす前に、2回目の接種を終えるのが理想的です。そのため、どの年齢でも1回目は10~11月、2回目は11月中に接種するようにスケジュールを立てましょう。

また、13歳以上では1週間、13歳未満では2週間が空いていれば接種ができるとしていますが、ワクチンの効果を高めるためには、3~4週間隔が最適と言えます。

予防接種の受け付けは決まった曜日のみ、予約が必要という小児科も多いので、必ず問い合わせをしてから接種に向かうようにしてください。

小さなお子さんがいるママは2回接種がおすすめ

基本的に13歳以上は1回の接種で良いとしていますが、実は下記の条件に当てはまる場合には、2回の接種が良いとされています。

・3歳から10歳程度のお子さんがいる人 
・仕事をしながら子育てをしている人
・かぜをひくと喘息発作を起こすことがある人 ・受験を控えている人
・海外に行く予定のある人
・体力に自信がない人

予防接種の効果は、一定に続くのではなく、ワクチンを接種した日から徐々に上がっていき、その後は減少し、一定数で免疫力は落ち着きます。

しかし2回目を接種すると、哺乳類の免疫機構にはブースト効果(免疫増幅効果)があるため、高い免疫力が得られます。

1回だけなら免疫はあるものの、それほど高くない数値になり、その効果はインフルエンザが徐々に終息するとされる2月程度までです。

しかし2回接種することにより、自然落下に任せたとしても、数か月は免疫力が高い状態をキープできます。

13歳以上で2回の接種を希望している人は、11月いっぱいまでに接種を終えておくと、個人差はありますが、4月中から5月まで高い免疫を持ち続けられます。

もしも期間が4週間以上空いてしまったら

インフルエンザの2回目の接種直前に子供が風邪をひき、治るまでに時間が掛かって推奨期間の4週間を過ぎしまったということをよく耳にします。

1回目からやり直しになるのか…と不安に思う人も多いと思いますが、そんなことはありません。

先述の通り、ワクチンを接種すると徐々に免疫が高まり、あとは効果が落ちてゆくのですが、4週間で0にはなりません。

風邪が治り、体調が万全になったと判断されたら、2回目の予防接種を行ってください。

とはいえ、あまり長く感覚が空いてしまうのも効果的ではないので、2か月以上空いてしまった場合には、かかりつけ医に相談してください。

インフルエンザ予防接種の料金

インフルエンザの予防接種は、病院により料金が違うのを不思議に思ったことはありませんか?料金が高い方が、効果が高いのか…と思うかもしれませんが、そうではありません。

病院によって料金が違う理由をお伝えします。

予防接種は自由診療だから

予防接種は病気ではないため、基本的に健康保険の適用外です。「自由診療」と呼ばれ、病院が独自に料金を設定できます。

エリアによっても差はありますが、13歳以上は1回5,000~8,000円、13歳未満は1回2,500~4,000円です。

子供の場合は2回接種をする必要があり、ワクチンの量も少なくていいため、大人よりも料金設定が安く抑えられています。なかには、2回目は料金がさらに安くなったり、無料になったりという医院もあるようです。

自由診療というと、病院が勝手に料金を設定して設けている…と思うかもしれませんが、ワクチンの価格は大人用と子供用を平均すると1000円程度です。使い捨ての注射針が1本20円程度、注射器本体が3000円程度ですから、インフルエンザの予防接種ではあまり儲けられないのが実情です。

メーカーによりワクチンの料金が違うから

インフルエンザのワクチンは、1つの製薬会社だけが作っているのではありません。

一般社団法人日本ワクチン産業協会によると、日本でワクチンを製造している11社の製薬会社のうち、北里第一三共ワクチン株式会社、KMバイオロジクス株式会社、一般財団法人阪大微生物病研究会、デンカ生研株式会社の4社でつくられています。

つまり、ワクチンの製造会社により成分や価格が異なります。

インフルエンザにはA型にB型、香港型や山形系統など様々に分かれていますが、ワクチンの中にはA型で2種類、B型で2種類の4種混合にすることが、2015年から決められています。

どの種類にするかは、WHO(世界保健機関)が推奨する種類のなかから、有効性や配給可能量を考慮され、決められています。

ちなみに、今年は以下の種類が推奨されています。

A型/Singapore(シンガポール)/GP1908/2015(IVR-180)(H1N1)pdm09
A型/Singapore(シンガポール)/INFIMH-16-0019/2016(IVR-186)(H3N2)
B型/Phuket(プーケット)/3073/2013(山形系統)
B型/Maryland(メリーランド)/15/2016(NYMC BX-69A)(ビクトリア系統)

安全性を重視した防腐剤不使用のワクチンに関して

インフルエンザのワクチン接種のネット記事の中には、安全性を重視するために防腐剤(チメロサール・有機水銀)を使用していないワクチンがあり、そのワクチンを使用する方が安全としています。

しかし、チメロサールを使用していないワクチンは製造の有無も年度により異なり、扱う病院を探すのも大変です。ちなみに、2018年に製造されたインフルエンザワクチンは、すべてのメーカーでチメロサールが含まれていたこともあり、防腐剤を使用していないワクチン接種は現実的ではありません。

また、チメロサールは多くの健康被害が報告されているメチル水銀とは異なります。体内に蓄積されない性質を持っているため、過剰に心配する必要はありません。

インフルエンザ予防接種で注意が必要な人とは

重度の卵アレルギーの人

インフルエンザワクチンは発育鶏卵の尿膜腔で増殖させたインフルエンザウイルスを原材料にして製造されているので、卵アレルギーの人は予防接種を受けられないと昔から言われています。

昔に比べ、近年は高度に精製されますが、ごく微量の鶏卵由来成分が残っているため、アレルギー症状が起こることもあります。

軽度の人は問題ありませんが、重度の卵アレルギーの人はかかりつけ医に相談し、接種をするかどうかを必ず相談してください。

過去の接種で副反応が強く出た

予防接種は、インフルエンザのウイルスを体の中に取り込むことにより免疫力を高めるものです。そのため、時には「副反応」という症状が出る人もいます。

副反応は一般的に以下の通りです。

・注射部位が赤くなる、腫れる、硬くなる、熱をもつ、痛くなる

・注射後に発熱、悪寒、頭痛、倦怠感、めまい、リンパ節腫脹、嘔吐、下痢

過去の予防接種により、強い副反応が生じた経験のある人は、さらにひどい状態になる可能性もあります。

予防接種は行わない方がいいでしょう。

アナフィラキシーを起こした経験のある人

インフルエンザの予防接種に限らず、アナフィラキシー様症状(蕁麻疹、呼吸困難など)を起こした経験のある人は、医薬品に過剰に反応する可能性が高いです。

接種を受ける前に、医師にその旨を伝えて判断を仰いで下さい。

予防接種当日に体調不良の人

先述の通り、インフルエンザのウイルスを体の中に取り込むことにより免疫力を高めるものです。

予防接種を受ける日に、明らかな発熱のある人は副反応が強く出てしまうことがありますので、予定を変更し、体調を整えてから接種をうけるようにしてください。

妊娠中の人

国立感染症研究所感染症情報センターによると、インフルエンザワクチンは病原性をなくした不活化ワクチンであり、胎児に影響を与えるとは考えられていないため、妊婦でも予防接種を受けても良いと公表されています。

しかし一方で、妊娠初期はいろいろな理由で流産する可能性の高い時期なので、一般的に予防接種は避けた方がよいとしています。

もし予防接種を受けるのであれば、妊娠初期(13週目程度まで)は避けた方が良いでしょう。

医師によっては、妊婦がインフルエンザの予防接種を受けることで、免疫が胎盤を通して伝わること、インフルエンザにかかり流産することが多いことから、予防接種を推奨していることもあります。

もし妊娠中であるなら、妊娠初期は避け、できる限り人ごみなどにはいかないように気を付けましょう。小さなお子さんがいて、どうしても避けられないというのであれば、予防接種を受けることを考えてください。

予防接種当日の服装は

インフルエンザの予防接種は、「皮下(ひか)注射」を呼ばれるものです。脂肪や血管のある皮膚の下に注射を打ち、ワクチンが少しずつ体内に吸収され、効果を発揮します。

肩からヒジの間に打つことが多いため、すぐに肩が出るような服装が望ましいです。脱ぐ手間がかかると、それだけで子供はぐずり始めたりすることも少なくありません。

小児科などで予防接種が決まっているのは、室内温度を通常よりも高くしてくれている場合が多いためです。

受付後はなるべく薄着になり、パパっと診察と接種が完了するようにしてあげましょう。

まとめ

インフルエンザの予防接種に関して、賛否両論あります。小さく免疫力が弱い子供がインフルエンザになった場合には、重篤な症状になってしまうことも少なくありません。

転ばぬ先の杖ではありませんが、できる限り予防接種は受けておくのがおすすめです。

また、13歳以下の場合には2回の接種になるため、1回目は11月までに、2回目の接種も11月中に完了できるのがベストです。

近年、インフルエンザの流行時期が早まっています。12月から2月がピークと言われていましたが、現在は10月から感染者が出始め、11月には学級閉鎖ということもよく聞きます。

まだ予防接種を受けてないのであれば、すぐにかかりつけ医に相談し、スケジュールを立てるようにしてくださいね。

この記事を書いた人
ママエル編集部
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