育休から3度も復帰した私が伝える育休復帰を円滑に進めるコツ
育児休業は、会社に1年以上勤め、毎月雇用保険料を払ってきた人の特権であり、子が1歳に達するまでの間、取得することができる権利でもあります。
働くママが7割を超えた近年、多くのママが育休明けに職場復帰を予定していることでしょう。
でも、職場復帰に向けてしっかり準備しているはずが、思いもよらないところでつまずいてしまうことがあります。
育休明けの職場復帰をスムーズにし、よりよいスタートを切るために、これだけは押さえておきたいポイントを、育休3回取得の私がお伝えします!
復帰前に確認すべきこと<仕事編>
働き方の決定
育休前と同じフルタイムで働くのか、時短勤務を選択するのか、子供の保育園の送迎の時間などを考慮し、まずは働き方を決定しましょう。
また会社によっては、雇用形態を社員から契約社員やアルバイトなどに変更して復帰することも可能な場合があります。
会社によっては時短勤務制度を利用するとお給料が減って損になる場合もあるので、勤め先の規定をしっかり確認することが重要です。
業務内容の確認
厚生労働省 「育児・介護休業法のあらまし」(平成30年9月)によると、「原則として、会社は休業する前と同じ業務を担当させなければなりません」とあります。
しかし、育休のあいだ、以前の業務は誰かが引継いでいたり、異動や人員補充などで職場内の様子が大きく変わっていたり、場合によっては以前の業務に携われない可能性があります。
あまりにも労働条件のかわる部署への移動は違法になりますが、仮に元いた部署が解体されていた場合など、戻りたくても戻れない場合もあるかもしれません。
そのため、復帰後に自分がどんな業務に携わるのか、事前にしっかりと確認しておくことが必要です。
自分が復帰する業務があらかじめわかっていれば、不安要素も軽減され、スムーズに復帰しやすくなります。
<h3有給残日数などの確認
「育休をもらっていて、さらに有給の日数を確認するの?」と気が引けてしまうかもしれませんが、とても大事なことです。
なぜならば、保育園に入った0歳児は、1人あたり年平均54日も病欠するといわれているからです(出典:「Bizmom」2012年春号)。
夫婦でそれぞれ何日の有給休暇が残っているかを確認し、夫婦で何日まで休めるのかを把握しておくと安心です。
また、子供の突発的な発熱や体調不良により、急な欠勤や早退、遅刻なども予想できるので、勤務時間が融通が効くのかも確認しておくべきです。
休暇中に休むことを前提に話をするのはとても申し訳ない気持ちになりますが、あやふやにしておくと企業にとっても自分にとってもスムーズに仕事を進められなくなるのでしっかり確認しましょう。
復帰前に確認すべきこと<家庭編>
家事を“見える化”してある程度の分担を
産前休暇や育休休暇でかなりの間、多くの家庭ではママが1人で家事をこなしていたのではないでしょうか。
我が家でも、家事育児ほぼ全て私がやっていたため、いざ子供が生まれて私が入院している間、主人からのヘルプコールが多発していました。
そこでおすすめなのが、あらかじめ家事や育児の「やることリスト」を作成し、朝起きてから夜寝るまでの間に時系列でどんな家事・育児があるのかを“見える化”すること。
そうすることで、手伝いたいけど何をすればいいのかわからないパパにも積極的に家事育児に参加してもらえます。
スケジュールはしっかり共有
共働き家庭での家事育児は夫婦の連携が大切です。
私は下記のカレンダーアプリを利用しています。
これを使い始めてから家族みんなの予定を夫婦で共有できるようになり、より協力して家事や育児を進められるようになりました。
ケンカも減ったのでおすすめです!
家事の手抜きを覚えよう
スーパーの宅配サービス
育休中にいちばん助けられたのが宅配サービス。玄関先まで商品を届けてくれるので、買い物に行く時間も手間も省けます。
子供を連れて買い物をしなくていい!
朝お願いすればその日のうちに届けてくれるので、スピーディーなのも助かります。宅配料は少しかかってしまいますが、外出の手間を考えればお安いと思えるはずです。
便利な家電グッズ
昔と違い、今は本当に便利家電がたくさん普及していてありがたい限りです。ロボット掃除機や食器洗浄乾燥機、ワンボタンでおかずがつくれるマイコンや乾燥洗濯機などなど…。
スイッチを押すだけで自分の代わりに家事を自動化してくれるのだから使わない手はありません!
便利家電は高価なイメージがあり、私も最初は購入を躊躇していたのですが、最近は販売しているメーカーも増え、だいぶリーズナブルになってきています。
家電に家事をしてもらっているあいだにできたちょっとした時間を、ホッと一息つく時間にし、つかの間のリラックスをしてはいかがでしょうか。
家事のアウトソーシング
「家事を代行してもらうなんて主婦として失格なのでは…」と思っている方も多いのではないでしょうか。実際に私もそうでした。
しかし、共働きやワンオペ育児など、私たち母親をとりまく環境は、昔に比べ大きく様変わりしています。
仕事や家事、育児を一挙に引き受けて、毎日ギリギリのところで耐えてイライラするよりは、外部のサービスや人に依頼するのもひとつの手段だと私は思います。
家事を100%代行してもらうと高額な費用になり、我が家のような一般的な家庭では難しいです。
でも、苦手な家事や仕事の繁忙期など、キャパオーバーした分だけをアウトソーシングすればそこまで高額にはなりませんし、休日に平日分の家事を持ち越すことがなくなります。
時間は有限で、価値あるもの。家事のアウトソーシングは、今しか打ち込めない仕事や育児に頑張るママの強い味方となってくれるはずです。
→家事代行7社を比較!これさえ読めば料金やサービス内容を比較できる
子供が体調不良時の対応
共働きの世帯が多くなっていますが、やはり、子どもの体調不良で急に仕事を休まなければならない事態が起こると、当然のようにママが休むことが多いようです。
我が家では、まず病児保育 の利用を検討します。
ただ、インフルエンザの時期など、病児保育園がいっぱいの時は親族を頼ります。
それでも都合がつかない場合は、夫婦の仕事のスケジュールを確認し、絶対に休めないスケジュールを持たない方が休んでいます。
「子供が体調不良なので休みます。」という前に、最低限自分にできる全ての手を尽くしてそれでもダメならばお休みをいただくようにすれば、職場の理解も得やすいです。
育休前と復帰の挨拶
育休を取得するのは当然の権利とはいえ、やはり長期間お休みし、会社に迷惑をかけることには変わりないので、育休前と復帰後は必ず挨拶が必要です。
育休前であれば勤務最終日に、復帰後であれば復帰初日に、菓子折りを持って挨拶に回るのが良いでしょう。同じフロアで働く人には必ず挨拶するべきです。
菓子折りは、会長、社長、専務、常務の役員クラスの方には個別で2千円~3千円程のもの、それ以外の方には全員で食べられるようなものを5千円くらいで購入するのがベストです。
全員に挨拶に回れないようであれば、メールを送信しておけば、全員が「○○さんは育休に入っている」ということを理解することが出来ます。
育休前であれば、休みをもらう感謝と復帰の意思を、復帰後は休みを頂いた感謝とこれから頑張りますという前向きな姿勢をメールの本文に明記しましょう。
自分自身が気持ちよく休みに入れるためにも、また復帰するためにも、この挨拶でその後の人間関係に影響が及ぶほど大事なことです。
いざ復帰!復帰前後に直面した課題
職場に搾乳のスペースがない
意外と忘れがちなのは搾乳のこと。私も何も考えずに職場復帰した初日、おっぱいがカチカチに張り、痛すぎて仕事にならなかった苦い記憶があります。
次の日からは、手動の搾乳機を職場に持ち込み、おっぱいが張れば来客室を貸してもらい、搾乳していました。
職場に搾乳するスペースがあるのかないのか、なければどうやって対応するのか、母乳で育てているママはしっかりと確認が必要です。
ちなみに私は、来客室が全て埋まっていた時は、トイレの個室にこもって搾乳していました…。
登園初日を復帰初日にするのは危険
保育園に入園したら、すぐに朝から晩まで預かってもらえるわけではありません。
初めての登園で、いきなり長時間ママと引き離されるのは、子供の心に大きな負担となります。
そのために、登園初日は短い時間からスタートして、保育園の滞在時間を延ばしていきながら慣れてもらう「慣らし保育」をおこないます。
通常は1週間~3週間程度、慣らし保育期間があるので、職場復帰のタイミングを保育園登園初日にしてしまっては大変です!
また、すぐに慣れる子もいれば、なかなか慣れずにストレスになり体調を崩してしまう子もでてきますので、ママの復帰のタイミングはこの慣らし保育の様子を見て決めるのがベストです。
少なくとも、慣らし保育の予定日数+1週間くらいは余裕を見ておいた方が良いでしょう。
復帰後待ち受けるメンタル面の疲弊
我が家は俗にいう「ワンオペ家庭」だったため、子供の送迎からはじまり、買い出し、食事、大量の洗濯物を洗う・干す・たたむ、掃除やお風呂、寝かしつけまで全て1人でこなしていました。
日々最低限の生活を回すだけで精一杯で、おもちゃは片付けられず、掃除もろくに行き届かず階段は埃だらけ、衣替えもままならず、冬のセーターがまだ引き出しを圧迫中…。
でも、よくよく考えてみると、主人の帰りが遅いのは育休中も同じだったはずなので、このワンオペ育児状態は別に復職によって発生したものではないはず。
それが、復職によって心の余裕が一切なくなり、仕事で疲れ切った体で自宅に戻り、思い通りに行かない家事・育児でイライラし、心が疲弊していってしまいます。
「なんで私ばっかり仕事も育児も家事も全部抱えなくちゃいけないの!」と、急にスイッチが入り、私も夜中に何度主人相手に泣き喚いたか…。
私はこうして復帰直後を乗り切った
勤務形態はフルタイム正社員のまま、特に時短も取らず、ほぼワンオペの私がどうやって復帰直後を乗り切ったか…。
それは、「諦める」ことでした。全部ぜんぶを自分で完璧にこなそうとするからしんどいのであって、日々最低限の家事でOK、後は週末まとめてやるか主人にやってもらう。
仕事でしんどい日はお惣菜で手抜きご飯、子供が寝静まった後にゆっくりお風呂に入って1人の時間をつくる…。とにかく心に少しでもゆとりを生むことを考えました。
でも、やはり仕事をフルタイムでこなすと疲れるし、ストレスがたまることもありますし、心に余裕がなくなることも多々ありました。
だから、家事や育児で手を抜けるところは手を抜き、イライラが限界に達する前に主人に協力を仰ぎ、自分のメンタルをコントロールしていました。
実際、育休復帰してよかったのか?
職場復帰直後は、仕事も忘れていて思い通り進まず、貢献できていないなぁと思ってしまったり、子どもの熱や病気で遅刻したり早退したりを繰り返し、さらに自己嫌悪に陥ったり。
「会社にいていいんだろうか…」と落ち込みました。でも、半年もすれば、社内の変化に慣れて、自分の生活のペースもつかめるようになります。
慣れてくると、少しだけ心にゆとりも生まれ、仕事が楽しくなってきます。そして、生活のペースもつかめているので、少しずつこなせる家事の量も増えて行きます。
主人が病気やケガで働けなくなる時期があった時に慌てなくてすむ、子供の教育資金を貯めたい、そもそも主人の稼ぎだけでは生活が成り立たない…
育休復帰し、働いている理由は人それぞれだと思いますが、「オンオフの切り替えができる」「通勤時間に1人の時間ができ、気分転換になる」「昼ご飯をゆっくり食べられる」「収入がある」と、復職は良いこともたくさんあります。
私も、育休復帰直後は仕事辞めたい病にとりつかれていましたが、今は育休復帰してよかったと本当に思います。
まとめ
育児休暇を終え、仕事への復帰を間近に控えた人の胸中は、再び働けるという喜びよりも、様々な不安が占める割合の方が高いのではないでしょうか。
でも、重要なポイントをしっかり押さえておけば、決して怖いものではありません。しんどいのは最初の半年!それ以降は嘘のようにしんどさが半減します。
大切なのは、1人で抱え込みすぎず助けてもらう!決して無理はしすぎないこと!ママのイライラは子供に伝染します。
仕事と育児の両立は1人では不可能です。周りの方への感謝の気持ちを忘れずにいれば、きっとスムーズな職場復帰ができますよ!