小1の壁の次は小4の壁!勉強面・精神面・生活面で成長する我が子とのかかわり方
やっと小1の壁を乗り越えた!と思っていたのに、知らず知らずのうちに静かに忍び寄ってくる小4の壁。
それは突然にやってきます。そう、通知表の成績が突然がくっと下がったり、担任の先生から電話がかかってきて衝撃の内容を聞かされたり…。
また、子供も成長しているため、精神的にもすこし大人に近づき、「嘘」をつくことを覚え、一筋縄ではいかなくなることも多々発生します。
実際に長男で小4の壁を嫌というほど経験し、息子と共に乗り越えた私なりの小4の壁対策法をまとめてみました。
小4の壁とは
小4の壁とは、子どもの成長とともに、勉強麺・精神面・生活面で起きる数々の問題を総小のことです。
小学校3年生までの学習内容と違い、4年生からは思考力が必要とされ、勉強面でつまずく子供たちが多く見受けられるようになります。
また、10歳ごろになると「他者意識」が発達し、自他の違いを意識し始める不安定な時期であることも関係し、反抗期に近い態度をとる子が出始めます。
今でこそ小6まで預けることができる学童も、多くの子は小3までで卒所する為、放課後の行動範囲がぐっと広がることも大きな変化となります。
学習の問題に限らず生活面、精神面を含め、運動能力・人格形成などにとり重要な時期だからこそ起こってしまう数々の問題を指して、小4の壁と言われています。
勉強面での壁
我が家の問題だけでなく、他のママさんたちがぶち当たった問題とともに、具体的な小4の壁を見ていきましょう。
勉強面での壁
3段階評価(よくできる、できる、もう少し)のほとんどが「もう少し」になり、よくできるはゼロでした。
4年生からは塾に通いだし、勉強面ではむしろ良くなってきていると思った矢先だったのでびっくりです。
我が家の息子もまさしくこれで、小4から息子の通知表が明らかに悪くなりました。
慌てて息子の机をあさると、×だらけの小テストが出るわ、出るわ…。それまでは悪くても80点だった通常のテストも、70点、60点と、見たこともない点数だらけを取ってくるようになっていました。
単純なケアレスミスが多かった息子だったので、そこまで深刻に考えておらず、「また簡単なケアレスミスをしたんだろう」くらいに思って、その都度テストの間違った箇所を見直していませんでした。
今思えば、その都度しっかりと間違えた内容を確認していれば、もっと早くに異変に気付けたのですが、恥ずかしいことに私が初めて異変に気付いたのは、1学期を終えた頃でした。
勉強面での対策
1学期の通知表を見た後、とにかくテストをすべて一緒にやり直しました。テスト問題を再度やり、同じ箇所を間違えた場合は教科書を使って説明し直しました。
社会や理科は得意なようで特に問題はなかったのですが、国語と算数が壊滅的。本を読むのが好きだったのもあり、まさか国語がここまでできないとは思ってもいませんでした。
国語は、文章の意図を読み取ることを重点的に教え、問の答えは大抵その問いの前後にあることを伝えると、コツをつかんだのか2回目からは間違えないように。日々の読書が役にやったようです。
算数は、どうも本人が理解できていなかった単元があったようで、まずは理解させるところからスタートしました。なぜそうなるのか、どうしてこの式を使うのか。徹底的に教科書をやり直しました。
2学期以降は、必ず持って帰ってくるテストをチェックし、間違った箇所がケアレスミスなのか、理解していないゆえの間違いなのかを一緒に確認するようにしたことで、2学期以降の通知表で青ざめることはなくなりました。
精神面での壁
我が家にもありました。友達間トラブル。長男は非常に繊細で人の気持ちに敏感な子です。だからこそ、友達関係がおっくうになってしまい、学校に行きたがらなくなってしまいました。
長男は、友達からの何気ないからかいやちょっとしたキツイ言葉がしんどかったようです。校庭で遊んでいる途中に意地悪をされたり、明らかに自分だけイジられたりするのが耐えられなかったようです。
また、「ねぇ。なんで教科書よんだらわかる内容を、椅子に座ってじっと聞き続けないといけないの?」と言われた時は岩で頭を殴られたような衝撃を覚えました。
担任の先生の授業は真面目に受けていたようですが、担任以外の先生が行う授業は抜け出し、図書室にこもって本を読んでいたそうです。
さらにはお菓子を通学途中で食べてみたり…担任からの呼び出しや電話が一気に増えたのが、小4の2学期以降でした。
精神面での対策
とにかく本人と向き合って話すしかありませんでした。なぜ問題行動を起こすのか、そこには必ず長男なりの理由がありました。まずはそれを徹底的に聞き、長男が訴えたかったことを全て聞き取りました。
その上で、それが正しいのか、正しくないのかを一緒に考え、何がいけなかったのが、他にどうするべきだったのか、を一緒になって考えました。
また、長男だけでは解決できない友達間トラブルは、一歩間違えばイジメともとれる内容だったこともあり、担任の先生だけでなく校長先生も含めて学校側と対策を話し合いました。
かといって、すぐに全てが改善したわけではありませんし、駄目だと言った次の日に同じことをして、また話し合っての繰り返しで、本当に精神的に追い込まれました。
それでも、やっぱり根気強く言い続けるしか方法はなく、主人と協力し、長男と会話する時間を増やす努力をしました。
結果的に、小4が終わる3月頃には目立った問題行動を起こさなくなりました。長女次女の下2人に気を取られ、長男のことを少し放置しすぎた結果だと気づき、主人と2人で反省しました。
生活面での壁
制度の改正により、小学校6年生まで学童に通うことが出来るようになりました。しかし、都市部では学童の待機児童が多く、小1が優先されるため、実際は入れないということが起こっています。
また、学童は小3までというイメージがまだまだある為、小4以降は通いたくないという子供達がいるのも事実です。
長男が通っていた民間の学童は小3までだったため、強制的に小4からは学童がなくなるという状況になりました。
公立の学童に切り替えても良かったのですが、長男の性格を考えると、絶対に通わなくなるだろうというのが目に見えていたので断念。
今までは放課後は学童だったため、友達と遊ぶのを我慢していた息子に突如訪れた自由。想像しただけでめまいがしました。
生活面での対策
小4にもなれば、1人で十分留守番できます。なので、我が家は長男に放課後の過ごし方は任せることにしました。
ただ、いくつか、長男と約束事を作りました。以下の通りです。
- 親がいない時間帯に友達を家に招き入れない
- 門限は17時
- ママが帰ってくるまでに必ず宿題は終わらせておくこと
- ゲームは外に持ち出さない
- 外に行く時は必ず携帯を所持する
- 友達の家にあがりこまない
怖かったのは、私たち両親がいない間に我が家が友達のたまり場になり、無法地帯になること。それだけは避けたかった為にした約束です。
もちろん、上記全部をきっちり守れたわけではありません。明らかに破っただろうという証拠が次々に出てきます。
でも、その都度、なぜ上記の約束が必要なのかを繰り返し伝えるしかありませんでした。今でも上記の約束を破ることがあります。その時は、主人からきついお灸をすえてもらっています。
我が家の息子の場合
目に見えての反抗期ではないのがややこしい
小4になり、高学年の部類に入っても、特にこれといった変化があったわけではない長男。
会話してくれなくなったということもなく、本当に普通でした。ただ、息を吐くようにごく自然に嘘をつくようになってしまいました。
例えば、明らかに友達を自宅に招き入れただろう痕跡があるのにないと嘘をつく、終わっていない宿題を終わっていると嘘をつくなど。
1つひとつ確認していくと、必ず糸のほころびがあり、嘘はばれるのです。本人もそれはわかっているのに嘘をつく。
普段寂しい思いをさせてしまっているという引け目から、あまり細かくは言わないようにしていたのですが…。言われないとわかるとエスカレートするのが子供だということに気づいたのは、担任の先生から電話を貰った時でした。
ある日突然、担任の先生から電話が…
「あ、もしもし、長男君って、朝、ご自宅出られましたか?学校にまだ来てないのですが」と担任の先生から電話をもらったのは10時過ぎ。
急いで主人に確認したところ、学校に出ていくのを見送ったと。その後自分も仕事に向かったから、その後のことはわからないと。
まさかとは思いながらも、休憩時間を早めにもらい、自宅に確認しにいくと…そこにいたのは学校に登校したはずの息子でした。
なぜそこにいるのか、なぜ学校に行かないのか…聞きたいことはたくさんあったのですが、仕事に戻らないといけなかったので、担任の先生に引き渡して帰宅してから話すことに。
頭がキレるがゆえの「嘘」
長男は、非常に繊細で頭のキレる子です。その為、良くも悪くも知恵が回り、学校に行かなかった言い訳を色々と並べたてました。でも、どれも腑に落ちなかったんです。
1つひとつ確認し、矛盾点を確認し、突き詰めていったところ、長男の不満点は以下の通りでした。
- 学校を面白いと思えない
- 友達関係で嫌なことがあり、顔を見たくない
- 習い事が多くて自由な時間がない
大きく分けて上記三つの不満点があったようでした。
学校を面白いと思えない
「ねぇ。なんで教科書よんだらわかる内容を、椅子に座ってじっと聞き続けないといけないの?」と言い切る長男なので、本当に授業が面白くなかったんだと思います。
小学校を卒業して中学校・高校・大学・社会人になっても、面白いことばかりが待ち受けているわけではないと。面白くない事の方が圧倒的に多くて、でもそっちの方が大切なことが多いと。
小学4年生にそんなことをいって理解できるのか?と思われるかもしれませんが、子供も立派な「個」です。子ども扱いをすべきではない、一人の人間として向き合うべきです。
自分が面白いと思う事ばかりやっていても視野が広がらない事、面白くないと思っていたことも実際やってみると面白くなるかもしれないことなどを説明しました。
友達関係で嫌なことがあり、顔を見たくない
そんな長男は、友達とのトラブルも多々ありました。
友達間のトラブルは、喧嘩両成敗という言葉の通り、どちらか一方だけが悪いことは少ないと思います。なので今回も、長男に反省すべき点があったと思います。
ただ今回は、「集団vs長男1人」だったため、一歩間違えばエスカレートしてイジメに繋がりかねないと判断し、早い段階で担任だけではなく校長先生にも入って頂きました。
担任の先生だけでなく、経験豊富な校長先生に入って頂くことで、事態は悪化せず終息を迎えることができたので、本当に良かったです。
内容の詳細は割愛させて頂きますが、自分がされていることを包み隠さず親に話す、長男として相当勇気が必要なことだったと思います。
子供の言う事だから…と聞き流していたら、きっと手遅れになっていたかもしれないので、早い段階で知ることができて我が家はラッキーでした。
習い事が多くて自由な時間がない
この時点での長男の放課後のスケジュールは下記の通りです。
月曜日 | 学校の卓球クラブ |
---|---|
火曜日 | オフ |
水曜日 | 習い事(競技ドッジボール) |
木曜日 | 駅伝チームの練習 |
金曜日 | 駅伝チームの練習 |
土曜日 | 習い事(競技ドッジボール) |
日曜日 | 習い事(競技ドッジボール) |
いずれも長男がやりたいと言ったことだったので、一度やりたいといったことを途中で投げ出すのは許しませんと、全て続けさせていました。
ただ実際、過密スケジュールをこなすうちに、心身ともに疲弊し、やりたくない!という気持ちがどんどん大きくなっていったようです。そしてそれが、不満として積り重なってしまったようでした。
習い事の取捨選択
本人と話をし、本当にやりたいのはどの活動なのか、1週間にどのくらい自由な時間が欲しいのか、本人の希望を聞いてみました。
本人曰く、学校のクラブは初めてみたら面白くなかった、駅伝チームもただ走ってばかりで面白くない。水泳も、楽しいと思えないとのことでした。
私としては、面白くないからやらない、楽しいと思えないから辞めるを1回許してしまったら、今後もずっとやりたくないことは辞めればいいと考えそうで怖かったのですが、主人と話し、本人の意思を尊重することに。
月曜日 | オフ |
---|---|
火曜日 | オフ |
水曜日 | 習い事(競技ドッジボール) |
木曜日 | 駅伝チームの練習 |
金曜日 | 駅伝チームの練習 |
土曜日 | 習い事(競技ドッジボール) |
日曜日 | 習い事(競技ドッジボール) |
結果として、本人が辞めると決断したのは、「卓球クラブ」と「水泳」の2つでした。本当は駅伝チームも辞めたいと最後まで粘っていたのですが、ここは譲りませんでした。
本人の為を思って続けさせていた習い事が本人を苦しめていたなんて思いもしていなかったので、まさに衝撃だったのですが、確かに少し詰め込みすぎていたかもしれません。
5年生になった今でも、上記スケジュールのままですが、本人としては駅伝も楽しくなってきたそうで、不満はないとのことでした。
本人のやる気をどう出させるか
これは各お子さんの性格にもよるとは思うのですが、私は特に下記の事項を意識して取り組んでいます。
- ほめて自信をつけさせる
- 家事を手伝わせる
10歳ごろになると「他者意識」が発達し、自他の違いを意識し始める不安定な時期ではあるのですが、自己否定する子供が増える時期でもあります。
どんなに頑張っても、「どうせ自分なんて」とか「どうせもっとできる人いるし」などと、周りと比べたがる長男を目の当たりにした時に、このままじゃだめだと思いました。
それからは、長男の自己肯定感が少しでも強くなるように、できた時はできた内容を具体的にここがよかった!と伝えるようにしています。
また、もともとお手伝いは好きな長男だったのですが、今まで任せていなかった料理や買い物、掃除なども積極的にお願いするようにしました。
「ちょっと自分、頼りにしてもらってる?」というのが効果的だったようで、積極的に家事に参加してくれるようになりました。
「好き」を伸ばす
長男は、家事の中にも好き嫌いはあるようで、「お風呂掃除」や「片付け」はあまり進んで手伝いませんが、「料理」と「買い物」には喰いつきます。
料理を手伝ってもらうようになってから、そのほかの配膳や洗い物、料理の片づけなども進んでしてくれるようになりました。
また、財布を預けて買い物をお願いし、ご褒美として「100円以内なら好きなものを買っていい」というルールを作ると、本当に100円ぴったり使い切れるように考えるようになりました。
無理に長男の苦手な家事をお願いするよりは、「好き」を伸ばした方が副産物が生まれるということを知ってからは、家事を任せられる範囲が増え、とても助かっています!
「甘えさす」と「甘やかす」は大違い
「甘えさす」と「甘やかす」は違いますと、子供の言うとりにしているのは「甘えさせている」のではなく、単に「甘やかしている」だけだと。それは誰の為にもなっていないと。
そう教えてくれたのは、保育園の先生でした。
たとえば、自分の好きなものしか食べない子がいたとします。
そんなときの対策は、普段は何を出されても文句を言わずきっちり食べさせる。その上で、休日などは子供の意見を取り入れて、好きな食べ物を用意してあげる、それは「甘えさせて」いるのでOKだということでした。
「主導権を子供に譲らない」という言葉がとても印象的でした。「甘えさす」と「甘やかす」、似たようで全く違う言葉です。
「褒める」ことを忘れずに
本人のやる気をどう出させるかにもつながるのですが、「褒める」ことはとても大切なことだと、そう私は考えています。
少し大げさに思えるかもしれませんが、「すごい」「すばらしい」「さすが」「ありがとう」のような言葉を用いると、子どもにとって「ほめられた」ことがわかりやすくなります。
いったい何をほめられているのか、どのような行動が高く評価されたのか、はっきりさせることも大切です。ただ「すごいね」と言うだけでは、何が「すごい」のかわかりづらいからです。
「自分もやりたいことがあるのに、妹の面倒をみてくれてありがとう!」「洗い物してくれたの?ママ時間なかったからとても嬉しい!」など、できるだけ具体的な言葉で褒めるようにしています。
子どもの頑張りをちゃんと見ているよ、というアピールにもなるので、「自分を見てくれている」という安心感にもつながります。
小4の壁を乗り越えた感想
「小1の壁」という言葉があるのは知っていましたが、「小4の壁」という言葉があることを私は知りませんでした。
「学童が終わっても何とかなる、小3から小4に上がるタイミングで変化するのはそれくらい」と安易に考えていた気がします。
我が家のように、突然下がった通知表や子供の素行不良などで初めて気づくこともあるかもしれません。
でも大切なのは、「小4の壁」は自分1人で乗り越えるものではないという事。小1の壁とは違い、小4の壁は親子で一緒に乗り越える必要があります。
子供が本当はどう過ごしたいのか、何が一番困っているポイントなのか、どんな約束事を持つべきか、対話しながら探っていくことが大切です。
まとめ
事前にわかっている「小1の壁」とは違い、とある日、何もないところに突然そびえたつ「小4の壁」。
子供の成長と共に勉強面・精神面・生活面にも様々な変化があり、それが結果的に「小4の壁」を生み出すことになります。
でも、慌てる必要はありません。やることはいたってシンプル。子供の話をよく聞き、子供と二人三脚で解決策を導き出すこと。
子供が望むこと、親が望むこと、お互いの妥協点…しっかりと子供と向き合いながら探っていけば、乗り越えられない壁ではありません。
1つの壁を一緒に乗り越えることで、また親子のきずなも深まるはず!あまり敏感になりすぎず、丁寧なコミュニケーションを心がけましょう。