インフルエンザのときでも病児保育は利用できる?
インフルエンザは熱が下がってもすぐには登園できず、登園できるようになるには、「解熱後3日が経過していること」と「発症後5日が経過していること」の両方を満たす必要があります。
共働き世帯にとっては、子供がインフルエンザになるのは致命的で、どう登園不可期間を乗り切るかという病児問題は、深刻です。
そこで、もし子供がインフルエンザを罹患し、病児保育に預けた場合、どんな風に過ごすのかを解説していきます。
インフルエンザのときでも病児保育は利用できるのか
「感染症室」を完備している病児保育園だと、インフルエンザでも病児保育を利用することができます。
例えば、私が普段利用している病児保育室には、保育室が全部で3つあります。1つが感染症以外の病児保育室、残りの2つは感染症用の保育室です。
ここにさらに水疱瘡の子が予約したい場合、感染症室が空いてないので、いくら定員に満たなくても予約することはできません。
感染症室を持っているかは、施設のホームページを確認するか、直接問い合わせてください。
熱が下がったら「病後児保育」に預けよう
病後児保育とは
「病児保育」とは、子どもが病気になったとき、親に変わって病気の子どもの保育をするという意味で使われています。
「病後児保育」とは、病気は治っているものの、本来の調子には戻っておらず、通常の保育園へ登園させるのが難しい回復期の子どもを、親に変わって保育するという意味で使われています。
たとえば「下痢は治ったけど顔色が悪く元気がない」「熱は下がったけれど登園させるのは少し心配」というときに利用できるのが病後児保育です。
インフルエンザの場合
インフルエンザの場合、「発症後3日以上経過していて解熱していること」など預かり先の施設によって細かく基準が制定されています。
病児保育・病後児保育が併設されている施設であれば問題ないのですが、病児保育だけ、病後児保育だけの施設だと、利用前に基準を満たしているか各施設の預かり基準を確認しておく必要があります。
我が家の病児保育利用談
前日は予約でいっぱいでも当日の朝になるとキャンセルが出る
私が普段利用している病児保育園は、利用日の前日15時から利用予約を受け付けています。
しかし、その日はインフルエンザの診断を受けたのが20時でした。前日予約は諦めて、当日予約に望みをかけました。
インフルエンザが流行っている時期は、前日の時点で満員になっており、キャンセル待ちになることが多々。
ただし、「朝子供の熱を測ったら熱が下がっていた」というケースも多いので、意外と朝に電話がかかってきて預けられることが多いです。
実際、その日も朝にキャンセルが出た旨の電話がかかってきたので、幸いにも預けることができました。
どんな場所か
私が利用している病児保育は、保育室が1つと隔離部屋が2つが、病院の一角に併設されています。
保育室は20畳ほどの広さ、隔離部屋はそれぞれ8畳ほどの広さです。
子供医療受給者証と保険証を渡し、「病児・病後児保育事業利用申請書」と「利用申込書」を記入し、看護師さんから前日からの様子を聞かれ、手続き終了です。
おむつ、着替え、おしりふき、ハンドタオルやマグマグは全て持参です。
ご飯とおやつは出るところなので、アレルギーはないか、好き嫌いはないかなど聞かれました。
また、お迎え時には、1日の様子が書かれた連絡票をもらえます。そこには、食事の様子、何時に睡眠をとっていつ排便や排尿があったのか等、事細かに記載されていました。
私が利用していたこの病児保育園は、一度預かってもらうと、翌日の予約も優先的に取れるので、インフルエンザ等の登校不可期間が長い感染症の場合は本当にありがたいです。
子供の反応
最初は見知らぬ場所に抵抗があったようで、なかなか離れてくれませんでした。でもそれは、普段通っている保育園でも最初は同じだったので、保育士さんへバトンタッチ。
見渡した限り、テレビやおもちゃ、本などと、遊ぶ用具は揃っていたので一安心。段差もなく、掃除もきれいに行き届いていたので、赤ちゃんでも安心して預けられる場所でした。
お迎えに行ったとき、楽しそうにおもちゃで遊んでいた我が子を見て、ホッと一安心。
子供が自分から「先生、バイバイ!また明日ね!」と言っていたので、楽しかったようです。次の日からは朝、ぐずることもなくバイバイできていたので、子供の順応性の高さに感心しました。
預けてみての感想
インフルエンザで高熱の中、仕事を優先して子供を病児保育に預けることに抵抗がなかったわけではありません。
でも、病児保育園のスタッフは全て看護師さん、もしくは保育士さんのため、適切な保育を行って頂けます。
また、体調が急変した時も、病院が併設しているので医師の診察を受けることができ、適切な対処をしてもらうことができます。
清潔感の溢れる明るい室内で、保育スタッフにも笑顔があふれており、それが子供の安心感につながったのだと思います。
ほかのママはどう乗り切った?
Aさんの場合
土曜日に発熱したAさんの長男3歳。「解熱後3日が経過していること」と「発症後5日が経過していること」を考えると、月曜日~木曜日は保育園に通えません。
- 実家の両親は遠方のため頼れない(常時)
- 夫は海外出張予定
- 次男が体調不良だったので前週もAさんは仕事を休んでいる
- 月末処理で仕事が忙しい
たまたま上記のような状況が重なってしまったため、月曜日から木曜日までの4日間、病児保育を利用することを決めたAさん。
当日の朝、予約をしたところ、たまたま空きがあったようで、預かってもらえたそうです。
仕事が終わり急いで迎えに行ってみると、部屋は狭いながら、おもちゃや折り紙、絵本やDVDもあり、あかるい雰囲気で保育をしてもらえた様子。
その日は、もう1人のお友達がいて、室内で静かに遊んですごしたことなどが記載された連絡票をもらうことができ、安心したそうです。
長男は病児保育、次男はいつもの保育園と、別の場所に預けることになりバタバタでしたが、親子共に何とか乗り越え、家族内に感染することもなく収束することができました。
Bさんの場合
金曜日に発熱したBさんの次女5歳。日曜日に解熱しましたが、「解熱後3日が経過していること」と「発症後5日が経過していること」を考えると、水曜日までは保育園に通えません。
- 夫の両親は遠方、自分の両親は現役で働いているため頼れない
- Bさん自身の体調不良で前週に仕事を休んでる
- どうしても抜けられないプロジェクトがある
「熱は下がったとはいえ、病み上がりの娘を預けるのはかわいそうでは…」「初めての場所、初めての先生、初めてのお友達の中で楽しく過ごせるかな…」と葛藤がありました。
月曜日はおばあちゃんが仕事が休みだった祖母が預かってくれることに。残る火曜日・水曜日の2日間、病児保育に預けることに決めました。
事前に見学に行く時間的余裕はなかったので、病児保育のホームページを熟読し、不明点は何度か電話をかけて確認しました。
当日は、娘さんの希望でお弁当を作りました。
仕事を終えてお迎えに行ったBさんが娘さんにどうだったか聞くと、「楽しかった!明日も行きたい!」とのことで、とても安心したそうです。
体調が悪くても安心して子供を預けられる場所=病児保育がある!と知っているだけでも心に余裕が生まれ、安心して仕事に打ち込むことができました。
インフルエンザ以外の感染症はどうなる?
インフルエンザでも預けられる病児保育は、嘔吐を伴うウイルス性胃腸炎が疑われる場合や、水痘(水ぼうそう)、風疹などの感染性の病気の場合にも、子どもを預けられることがほとんどです。
感染症の種類によって、利用料金や利用方法が変わるということもありません。
感染症の子どもが病児保育を利用するときには隔離室を利用するのが一般的ですが、隔離室の数などによって受入れができない場合もあります。
また、自治体によっては、特定の疾患の児童は受け入れられない場合があります。
麻疹(はしか)、流行性角膜結膜炎(はやり目)などの感染性が非常に強い疾患に関しては、受け入れの対象外になるケースが多いといわれています。
ご不安な場合は、ご自身が利用される施設へ確認するか、自治体のホームページに記載がありますので、そちらをチェックしてみてください。
まとめ
子供がインフルエンザになった…まず頭をよぎるのは、「いつから登園できるんだっけ?」ということではないでしょうか。
たとえ解熱してもすぐに登園できないのがインフルエンザの厄介なところ。登園するためには、「解熱後3日が経過していること」と「発症後5日が経過していること」の両方が必要になります。
そんなときの為に、隔離室を持つ病児保育園では、インフルエンザをはじめとする感染症の子供でも預かることができるようになっています。
「高熱の子を病児保育園に預けることに気が引ける」というママの声もききますが、看護師さんと保育士さんがいるので逆に利用者は安心して預けることができると私は考えています。
いろいろな選択肢を持って、ママとパパ、子供にとってより良い方法で乗り越えたいですね。