スマイルゼミ経験者がデメリットをぶっちゃけ!体験したからわかる向いている人と向いていない人を検証
小学生向けのタブレット学習教材「スマイルゼミ」は、国語・算数・英語・理科・社会(理科・社会は小3から)の5教科にプログラミング講座も加わり、2020年に改訂実施される新学習指導要領に沿った学習内容となっています。
子どもが親しみやすいデジタル教材とリーズナブルな料金設定が魅力のスマイルゼミですが、すべての子ども・ママに向いているというわけではありません。
実は、現在中学1年生の我が家の娘も、小3~小5までスマイルゼミで学習していました。
結果的に2年で退会することになったのですが、その私達の体験も含めて、ここではあえてデメリットに注目してスマイルゼミを検証してみたいと思います。
私のリアルな経験から、スマイルゼミに向いている人・向いていない人について分析してみたので、これからスマイルゼミを始めてみようかなと思っている方の参考になればうれしいです。
スマイルゼミのデメリット
タブレットが壊れやすい
落としたり、タップのし過ぎで反応が鈍くなってしまったりと、タブレットは意外と壊れやすいです。
我が家では、スマイルゼミを入れた手提げを踏んでしまって画面を割ってしまったり、床に落として反応しなくなってしまったりして、入会と同時に加入したあんしんサポートで修理交換してもらったことがありました。
また、原因は不明なのですが、電源が入らなくなってしまい、1年間の保証期間中だったので無償で交換してもらったこともあります。
けれども、これ等の故障はスマイルゼミに限ったことではなく、大人がスマホを利用する場合も落として画面を割ってしまったり、ボタンが潰れて使えなくなってしまったりなど、不具合が発生することがあると思います。
スマイルゼミは子どもが利用するわけですから、あらかじめ故障の想定をしておいたほうがいいでしょう。
ただし、娘が利用していたのはひとつ前の旧型タブレットです。現行モデルは旧機に比べて壊れにくいとの口コミもあったので改善されている可能性もあります。
タブレットの反応がイマイチ
タブレットが反応しにくく、とくに漢字の「留め・はね」がうまく書けずに、娘も何度も強く書いていたことがありました。
また、算数の授業では、画面上に式を書いて計算することがあるのですが、急いで書くとなかなか認識されず、学習がスムーズに進まなかったこともありました。
しかし現在は、新型タブレットの登場と同時にタッチペンもリニューアルされ、以前よりもテンポよく進められるようになりました。
理解度にかかわらず進められてしまう
スマイルゼミは、お子さんが1人でも学習が進められるようになっています。
親は付きっきりで勉強を見なくて済むので助かるのですが、その反面、子どもがよく理解していなくても、どんどん学習を進めることができてしまいます。
スマイルゼミには、学習するともらえる「スター」と呼ばれるポイントがあり、うちの娘はそのスターを集めるために、画面の文字をろくに読まずに学習を進めていたことがありました(笑)。
また、自分の得意な分野だけどんどん勉強を進めて、苦手分野は放置してしまうお子さんもいるようです。
お子さんの学習意欲が未成熟なうちは、保護者も一緒に勉強してあげるといいと思います。
標準クラスでは学習量が足りない子もいる
スマイルゼミの授業は、学校の教科書内容に沿った「標準クラス」と、標準クラスに応用問題をプラスした、中学受験にも対応できる「発展クラス」とに分かれています。
標準クラスでは学習量が足らず、短期間で1ヶ月の学習量をこなしてしまう子供も多いようです。実際に、標準クラスだったうちの娘は1週間ほどでやり終えてしまいました。
娘の場合は、タブレットの目新しさが原因で最初のほうはすぐ終わらせてしまっていたのですが、だんだんと学習ペースが遅くなっていきました(笑)。
いつも早く月の課題をこなしてしまう勉強熱心なお子さんなら、途中で発展クラスに切り替えることも可能です。
タブレットが意外と重い
学習用タブレットの重さは544グラム。普段持ち歩くことの多い500ml入りのペットボトルより少し重いです。
ペットボトルの水も単体でそれだけを持ち歩くのであれば大した重さではありませんが、他に荷物があると大人でも少し重たく感じますよね。
タブレットは子どもが1人で持てない大きさではありませんが、何かと一緒に持ち歩くのは少し大変かもしれません。
親の手助けがある程度必要
スマイルゼミは、毎日「きょうのミッション」を出してくれて、子どもに今日取り組むべき講座を指示してくれます。
何をすればいいのか、迷うことなく子どもが1人で学習できる便利な機能なのですが、タブレットの電源を入れない限りはこの学習サービスを活かすことはできません。
なので、家庭学習の習慣がついていないお子さんには、親が声がけをしたり、初めのうちは一緒に勉強してあげたりと、ある程度の手助けが必要となります。
また、スターを集めるとスターアプリでゲームができたり、毎月配信される名作漫画を読んだりすることができるのですが、きちんとルールを決めないと勉強よりゲームの時間のほうがが長くなってしまうこともあります。
お子さんとよく相談して、ゲームや漫画の時間をあらかじめ決めておきましょう。1日のゲーム時間は、保護者の管理画面「みまもるネット」で設定することも可能です。
スマイルゼミのメリット
その場ですぐ丸付け!親がしなくても良い
学校の宿題のドリルは、親の丸付けが必須な学校も多いのではないでしょうか。娘が通っていた小学校では、丸付けはもちろん、間違った問題の直しまでが親の役目だったので大変でした。
スマイルゼミは親が丸付けする必要がなく、答えをタブレットに書き込むだけで瞬時に答え合わせが完了します。
タイムロスがまったくなくその分早く勉強が終わるので、余った時間を趣味や遊びに使えます。
絵が動くから解説がわかりやすい
子どもが好きなアニメーションを使って、ゲーム感覚で楽しみながら学習を進められるのもタブレット教材ならではのメリットです。
とくにわかりやすいのは算数の図形の問題です!図形を組み立てたり開いたりをアニメーションで表現してくれるから、紙の教材ではわかりにくい展開図を容易に理解することができます。
退屈になりがちな計算ドリルもアニメーションを使ったミニゲーム形式になっていて、子どもが飽きずに繰り返し取り組めるように工夫されています。
「自分専用タブレット」への子どもの食いつきは良い
自分専用のタブレットを持つということは、子どもにとっては特別なことのようですね。娘もそうでしたが、「タブレット端末だから勉強したい」という子どもも多いです。
よこしまな理由のようですが、これをきっかけに学習習慣がついて一生懸命勉強してくれるなら、安い買い物ではないでしょうか。
タブレットに入っているオリジナル壁紙を使って自分好みのタブレットにカスタマイズしたり、スケジュール帳の予定を確認したりするのも、毎日タブレットを立ち上げる習慣に繋がります。
英語の「読む・書く」だけでなく「聞く・話す」も鍛えられる
紙教材を使って英語を勉強する場合、英語は親が読んであげるか、CDを利用するしかありません。
親が読んであげるのも良いですが、ネイティブな発音には程遠いし、CDはいちいち親が操作してあげなくてはならないのでリピートして何度も聴きたいときには不便です。
スマイルゼミなら、タブレット本体から聞こえてくるネイティブの英語を聞いたり、画面の口の形を真似たりすることで簡単に発音練習ができ、教科書だけでは学べない「聞く・話す」力を鍛えることができます。
「聞く・話す」力は低学年から始めたほうが自然に身に付きやすいので、ぜひ取り入れたいですね。
もちろん学校の教科書にも沿った学習内容になっているので、「読む・書く」対策もバッチリ。さらに英語プレミアムを利用すれば英検対策もできます。
ゲーム感覚で楽しんで学べる
学習するたびに「スター」と呼ばれるポイントがたまります。スターがたまると「スターアプリ」と呼ばれるゲームができたり、毎月配信される名作漫画を読んだりすることができます。
ゲームや漫画と聞くと心配になるママもいるかもしれませんが、どちらも保護者の管理画面で1日の利用時間を設定できるのでやり過ぎることはありません。
また、ゲームは脳トレやテトリスのようなミニゲーム、漫画は科学や歴史を題材としたものなど小学生に適したものがピックアップされているので親としても安心です。
がんばると表彰してもらえる
スマイルゼミには、前月の学習結果に応じて表彰してもらえる「スゴいキミ!」というシステムがあります。
自分のアバターが全国のみんなの前で表彰してもらえるので、ランキング上位を目指して学習意欲も高まります。
また、獲得したスターを使って、アバターの洋服を手に入れることもできます。アバターを自分の好きなアイテムで着飾ることができるので、とくに女子に人気があるようです。
子どもの学習状況を把握できる
「みまもるネット」という保護者の管理画面を使用すれば、子どもが何をどれくらい勉強したか、正答率はどのくらいかなどの学習履歴や学習効果を親がチェックできます。
家から離れた場所にいてもスマホやパソコンで手軽に確認できるので、仕事で帰宅が遅くなるママも安心。家に帰ったら、お子さんをちゃんと褒めてあげましょう。
チャット形式の「みまもるトーク」が役立つ
スマイルゼミのタブレット端末には「みまもるトーク」というチャットツールが入っています。日頃LINEを使っている私を見ていた娘は、これにも大喜びでした。
使い方はLINEと同じです。ママと子どもで話すこともできるし、家族でグループを作ることも可能、親が承認すればお友達ともトークできます。
「遊びに行ってくる」「家に帰ってきた」「明日○○が必要」など、ちょっとした連絡ツールとしても使えるので便利です。
子どもがスマイルゼミで勉強を始めると、その連絡も「みまもるトーク」で受信することができるので、お仕事中のママもお子さんの学習状況が瞬時にわかります。
元ユーザーの我が家がスマイルゼミを辞めた理由
母親である私だけでなく、実際にスマイルゼミを使っていた娘にも、スマイルゼミを辞めた理由について聞いてみました!
親の意見
我が家では、子どもが「やりたい」と言ったことは、基本的になんでもやらせています。スマイルゼミを始めたきっかけも、テレビCMを観た娘が「やりたい」と言ったからです。
娘が通っていた小学校は中学受験をする子どもが過半数を超える学校で、低学年のころから塾通いする子も多く、1週間のスケジュールが塾や習い事で埋まっている子もたくさんいます。
私は子どものタイトなスケジュールには反対で、「子どもには子どもらしい生活をさせたい」と思いつつも、「周りの子に勉強で遅れをとってしまうのでは?」との不安もありました。
そんなときに小3の娘がスマイルゼミをやりたいと言い出し、料金もそれほど高いものでもないので始めてみることにしたのです。
マイタブレットの影響はとても大きく、娘は夢中になってタブレットを操作し、1週間ほどで1ヶ月のミッションを終了させてしまいました。
その後は漢字ドリルや計算ドリルを繰り返し解いたり、ゲームや漫画、配信される子ども新聞を読んだりして楽しんでいました。
けれども興味がタブレットにばかり向かってしまい、親としては視力やブルーライト、依存などの不安があったことも事実です。
学校の成績はあまり変化がありませんでしたが、これまでめったにすることのなかった「自分から勉強する」ことが多くなり、家庭学習の習慣を身に付けるのに大いに役立ったと思います。
2年ほどでスマイルゼミを辞めることになった理由は、スマイルゼミに興味を示さなくなったからです。
もともと「勉強したい」とか「成績を上げたい」などの理由ではなく、「タブレット」がスマイルゼミを始める理由だった娘は、タブレットに飽きてしまったのだと思います。
喜んでプレイしていたゲームも単純なものが多いので、年齢が上がるとともにあまりしなくなり、後に手に入れたDSでゲームを楽しんだり、パソコンで絵を描いたりすることのほうが楽しくなったようです。
結果的には退会してしまいましたが、自分から進んで学習するようになったのはスマイルゼミのおかげなので、入会してよかったと思っています。
子どもの意見
母がiPadで読書をしているのを見て、私もタブレットが欲しくなりました。家のパソコンでインターネットはしていたけれど、自分だけのタブレットに憧れていたからです。
自分のタブレットをもらえたのがうれしくて、最初のうちは夢中になって勉強やゲームをしましたが、だんだんとゲームや漫画だけが目的になってしまい、ミッションを適当にこなすだけになってしまいました。
授業の説明をよく読まないから、なかなかスターをもらうことができなくて、最終的にはスマイルゼミで学習するのも面倒くさくなってタブレットに触らない日が増えました。
母にミッションをやるように何度も言われたのですが、全然できなかったので辞めることにしました。
「○○になるために勉強する」とか「○○中学・高校に入りたい」という確かな目的がないと、スマイルゼミを続けるのは難しいなと思いました。
向いている子どもとママ
どんな教材にも、「向いている人」と「向いていない人」がいます。
スマイルゼミが向いている人・向いていない人を「子ども」と「ママ」の立場からそれぞれ検証してみました。
向いている子ども
・毎日ちょっとずつ勉強するのが苦にならない子
・塾などの集団に混ざるのが向いていない子
・学習習慣をつけたい子
自ら進んで勉強する習慣がすでにできている子、学習意欲の高い子は、スマイルゼミよりも学習塾でより高い学習レベルの授業を受けたほうが成績アップに繋がります。
集団で勉強するよりも自分のペースで勉強したい子は、スマイルゼミのような学習方法を取り入れるのも良いと思います。
自分から勉強する習慣のついていない子、何を勉強していいのかわからない子は、タブレットの電源を入れるだけで今日の課題を指示してくれるスマイルゼミで、まずは毎日10分の学習習慣をつけることから始めるといいでしょう。
向いているママ
・子供の勉強の学習状況(進捗度)を確認したい人
・子ども番組に助けられた!という経験がある人
・通信教育のプリントや付録の多さにうんざりしている人
スマイルゼミは、子どもの苦手分野を理解して今日の学習を指示してくれるから、家庭学習に不慣れな子どもも1人で迷わず勉強を始めることができます。
自動で丸付けもしてくれるから親が付きっ切りで勉強を見る必要がなく、仕事が忙しくて子供にゆっくり勉強を教える時間がないママには最適のデジタル学習です。
お子さんが小さいころにテレビの子ども番組に助けられた経験のあるママは、スマイルゼミがその代わりをしてくれるはずです。
そうは言っても、子どもはママのサポートも必要としています。
スマイルゼミに頼りっぱなしにせず、「みまもるネット」や「みまもるトーク」をうまく活用して、お子さんのフォローも必ずしてあげましょう。
また、紙教材を使った通信教育はプリントや付録の冊子がたくさんあって整理するのが大変ですよね。
スマイルゼミの教材はすべて配信なので紙や付録に悩まされることはありません。片づけの手間が省けるのも忙しいママには有難いですよね。
向いていない子どもとママ
向いていない子
・テスト前など、必要に駆られないと勉強しない子
・自ら積極的に勉強を進めたい子
・紙やノートに書いて勉強したい子
タブレットに惹かれて勉強する子もいれば、タブレットなどのデジタル端末に興味がない子もいます。そういう子はスマイルゼミにも興味を示さないことが多いでしょう。
また、スターアプリは単純なゲームが多いので、幼少時から自分のゲーム機を所有してRPGやオンラインゲームをやっているような子には物足りないと思います。ゲームを理由にスマイルゼミを始めても長続きしないかもしれません。
スマイルゼミは学習習慣を身に付けるのには最適ですが、「もっと勉強したい」「もっと踏み込んだ学習をしたい」といった子、すでに自分の学習スタイルを持っている子には、ミッションで今日の課題を指示してくるスマイルゼミはやりづらいと思うことが多いようです。
スマイルゼミの教材は学習データの配信のみで、紙教材の用意はありません。ですが、子どもによっては紙に書いたり、ノートにまとめたりして学習するほうが頭に入る子もいます。
紙やノートを使った勉強は後に残るので達成感を味わえるということもあり、今でも根強い人気があるのも確かです。そういった子には、一目で学習成果がわかりにくいタブレット学習はやりにくいでしょう。
向いていないママ
・子供の習熟度(到達度)を把握しておきたい人
視力が落ちる、依存が心配などの理由から、子ども専用端末や電子機器端末を使用するのを好ましく思わない人も多いと思います。体内時計を狂わすと言われているブルーライトの影響も心配ですよね。
ブルーライトカットのシートを画面に貼ったり、タブレットの使用時間を制限したりすればそれほど影響はないのですが、どうしても嫌悪感が拭えないママにはスマイルゼミは向いていません。
また、スマイルゼミは、「子どもがどこまで学習したか」という学習進捗は管理画面でチェックできますが、「どの程度理解したか」という習熟度は解いた問題の正答率で判断するしかありません。
さらに、スマイルゼミは問題によっては選択制なので、何度も挑戦するうちに正解がわかってしまうこともあります。
「どのくらい理解しているのか」「どこでつまずいているのか」など習熟度まで把握したいママは、スマイルゼミではなく、模擬テストがおこなわれる学習塾や、個別で学習できる家庭教師などを利用したほうが良いと思います。
まとめ
自宅で楽しみながら学べるスマイルゼミは、お子さんが1人でも学習が進められる便利な教材ですが、まずは自分でタブレットの電源を入れないことには何も始まりません。
低学年のうちはタブレットに向かう理由がゲームや漫画でも、学習習慣を身に付ける良いきっかけとなりますが、高学年になると「○○のために勉強しよう」という的確な目的がないと、長く続けるのは難しいでしょう。
ですから、子どものモチベーションが上がるよう、親がサポートしてあげることがとても重要です。
問題に正解したら褒めてあげたり、勉強をしていないようだったら声がけをしたりなど、子どもが学習意欲を持てるように親が手助けしてあげることでスマイルゼミの学習効果がより高まります。
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